【2015年7月10日(金)毎日新聞】

2015年7月10日(金)毎日新聞地域面(福岡)「この人!」で紹介されました!

 

毎日「この人」

 

生活困窮の若者を支援 無料の学習指導や食事提供
「ストリート・プロジェクト」理事長 坪井恵子さん(54)=福岡市

一般社団法人「ストリート・プロジェクト」は、さまざまな事情で中卒(高校中退)となり、困窮している15~25歳の若者や生活苦の高校生に無料の学習指導や食事提供で自立や夢の実現を手助けしている。食事を作り、若者の話しに耳を傾けるだけでなく、支援のためのネットワーク作りから活動を知ってもらうための講演まで、理事長として、保護司として奔走する毎日だ。
活動の原点は家族の中にあった。24歳になる次女が10代のころ、寂しさから生活が荒れ、高校に進学しなかった。それがきっかけで2009年、高卒認定資格を取るための塾を始めた。そこで、離婚など家族の形が変化する中で学びの場を失う若者や、貧困の連鎖で生活そのものが保障されない若者たちを知った。その多くが公的支援の枠組みからこぼれていた。
「資格を取るだけでは何も彼らの手助けにはならない。勉強に限らない寄り添いが必要だ」。思いは膨らみ、10年に法人化。たくさんのボランティアに支えられ、昨年4月には博多駅前に事務所を兼ねた拠点施設「ごちハウス」をオープンした。「ごちそうさまが言える家に」との思いを込めて名付けた。
メインの6畳の部屋で週3日開く無料塾には、現在7人ほどが通い、これまでに3人の看護師が誕生した。隣の4畳半の和室にはソファやちゃぶ台があり、ご飯を食べ、居場所として過ごす子も5人いる。週末は、この春から通信制高校に入学した男子生徒2人を泊まり込みで食事や生活の世話をし、学校に送り出している。
「ハウス(自宅)はあっても(家族のきずながない)ホームレスな子もいる」。目指すのは、生きづらさを抱えた若者にとって「安心で安全で、ほっとできる。ありのままでいられる場所」。彼らが話したいときに、話したいことだけを聴く。それには、二人きりで食べるご飯が絶大な力を発揮するという。過去のことは「大変だったね」のひと言でとどめ、伴走しながら先のことを考える。「ここは本当はいらない場所。でも今はたくさん必要な場所」だから。

支援は、古本やCD、DVDが寄付金に代わる「ストプロ寄付本プロジェクト」へ。1回5点いじょうあれば、古書店が送料無料で引き取ってくれる。贈与承諾書にサインし、「バリューブックス」または「あうん買取」まで。詳細はストリート・プロジェクト080・3376・3510。